麦門冬湯(ばくもんどうとう)

成分(生薬)
麦門冬10、半夏5、粳米5、大棗3、人参2
目標・適応症
痙攣性の咳嗽に用いられることが多い。目標の症状としては咳嗽、のぼせ、顔面紅潮、咽喉の乾燥感、刺激感など。麦門冬湯の咳の特徴としては激しく痙攣性、連発性、痰は少なくて切れにくく、声がかれることが多い。
治験例
(一)喘息と肺結核
56才女性。肺結核に喘息が合併し発作が起きると終夜あえぎもがき、激しい呼吸困難が続いた。この発作が半年続いたため見るかげもなくやせ衰えてしまった。麦門冬湯を内服させると10日後には半年間続いた苦悶から全く開放された。食欲も出てすっかり元気になった。(矢数道明氏、漢方の臨床11巻7号より)