コンテンツへスキップ
- 成分(生薬)
- 桂枝4、芍薬6、大棗4、生姜4、甘草2、膠飴20
- 目標・適応症
- 普段から身体虚弱で疲れやすい人や、普段は頑丈であるが無理をかさねて、ひどく疲労しているような人に適している。腹痛、全身の疲労状態、精力の虚乏といった症状が目標となり、診察所見としては腹部に圧痛があり、腹直筋が拘攣しているもの、または腹部が軟弱であることもある。主に、虚弱児の体質改善、感冒の経過中に腹痛を訴えるもの、胃炎、腸炎、疲労状態などにつかわれる。
- 治験例
- (一)虚弱体質
4歳の女児。生来風邪をすぐひく。扁桃腺が腫れて40度近い熱がでる。1年中これを繰り返していた。1夜に3~4回も失敗することがあり、汗がでる。昨年は風邪のあと咳が続き、小児喘息と言われた。時々お腹が痛いと訴える。またどこかへ旅行したり、親戚の家へ泊まったりすると必ず高い熱が出る。風邪をひくのが恐ろしくて外出をきらい、元気なく一人で家の中にこもりがちであった。痩せ型で顔色は青白く、腹は薄く腹筋が緊張している。小建中湯を与えたところ、服薬後風邪をひかなくなり、ひいてもすぐに治り、高熱は出なくなり、夜尿も次第に少なくなり、2ヵ月後には自分から外へ出て友人と遊びまわるようになった。腹痛も治り、性格も一変して陽気となり、顔色もよくなって太ってきた。(矢数道明氏、漢方の臨床11巻2号より)