炎症って何?

inflamation2医者の説明や医療関係の本を読んでいるとよく炎症という言葉が出てくると思いますが、一般の方で炎症という言葉の意味を正確に理解されている方は少ないと思います。しかし、炎症は多くの病気に密接に関連しており(肺炎しかり、肝炎、膵炎、腸炎しかりです) 病気の説明をしていくにあたり、炎症という言葉の理解は必要ですので、ここで簡単に説明します。

腸炎を例にとって説明しましょう。まず、細菌が腸に感染します。すると血液中の白血球が細菌を見つけ出して攻撃を仕掛けます。細菌を食べてしまうものもいれば、様々な化学物質を放出して細菌を攻撃したり、仲間を呼び集めたりするものもいます。細菌と白血球との戦いの場となった腸は赤く腫れあがり、熱をもち、痛み、その働きも鈍くなります。この白血球が関与しておこる①赤くなる、②熱をもつ、③痛む、④腫れる、⑤機能が損なわれるという5つの徴候をもった生体の反応のことを炎症とよびます。炎症はウィルスや細菌に感染したときだけではなく、さまざまな原因で起こります。すり傷や火傷などがおこっても、白血球がやってきて同様の反応(炎症)がおこります。

炎症がおこっている最中から、白血球は戦場となった部位にある細菌の死骸や死んだ細胞を掃除すると同時に、化学物質を放出し再生を促し、障害された部位の治癒を促進するという働きも担います。炎症が起こらないと、再生、治癒も起こらないので、炎症は人間にとって必要不可欠なものと言えます。ただし、過剰な炎症反応がおこると、体は消耗してしましますので、適度に抑えてやることが必要です。