- 成分(生薬)
- 当帰4、芍薬4、川芎4、地黄4
- 目標・適応症
- 男性にも用いられるが主に婦人に用いられる。婦人の諸疾患を治す聖薬とされている。貧血の傾向にあり、月経の不調があり、自律神経の失調などがあるものを目標とする。診察所見は皮膚は乾燥し、脈は沈んで弱く、腹は軟弱で臍の上に動悸が触れることが多い。一般的には月経異常、更年期障害、不妊症、産前産後の諸病、子宮出血、皮膚病などに処方される。
- 治験例
- (一)血の道症
34歳女性。4年前2度目のお産後からこの病状が起こった。息苦しく、動悸を感じ、肩が凝り、腰は痛み、手足は冷え、全身がたまらなくだるい。だるくなるとはしを持つのもいやになり、憂鬱でなんともしようがない。時々足の裏に火がついたのかと思われるようにほてってくる。この4年間家事は一切他人任せである。診察すると、脈は沈んで微弱であり、腹は軟弱で、臍の付近に動悸と圧痛がある。また月経は極めて少ないという。四物湯を与えると、2ヵ月後には元気になり、家事も自分でできるようになった。(矢数道明著、漢方百話より)