- 成分(生薬)
- 麻黄5、杏仁5、桂枝4、甘草1.5
- 目標・適応症
- 体質がしっかりしていて充実感のあるものに一般的に用いられる。熱性病の初期に用いられることが多く、頭痛、身疼痛、腰痛、関節痛、寒気、汗が自然に出ないという症状が目標となり、脈は浮緊、舌や腹部に特徴的な所見はない。感冒や気管支炎など熱性病の初期以外に、小児の鼻つまり、気管支喘息、関節リウマチの初期などにもつかわれる。
- 治験例
- (一)鼻づまり
10歳の少年。ふだんから鼻炎がある。風邪をひくと鼻がつまって、口で呼吸しなければならない。頭痛、ときどき寒気、脈は浮で力がある。咳はでない。麻黄湯を与えると10数分で鼻のつまりがとれ、風邪も3日の内服でよくなった。麻黄湯を風邪に用いるときは、脈が浮いていて力があり、さむけと熱があって、頭痛がしたり、ふしぶしが痛んだり、鼻がつまったりするのを目標とする。(大塚敬節氏、漢方診療30年より)