漢方処方解説

kanpou-syohoukaisetu2

当院で処方される主な漢方薬の解説です。漢方薬の成分、どういった症状、体質のかたにつかうか、治験例などを記しています。漢方薬の種類は徐々に更新していく予定です。

西洋医学と漢方診療の違いを知りたい方はココをクリックして下さい。生薬の解説についてはここをクリックして下さい。(注意:あくまでも一般的な漢方薬の処方についてかかれています。)

  • 黄連湯(おうれんとう)
    成分(生薬)
    半夏6、乾姜3、人参3、甘草3、大棗3、黄連3、桂枝3
    目標・適応症
    半夏瀉心湯と似ている。すなわちその黄芩のかわりに桂枝が加わったものである。心窩部(みぞおち)のあたりのつかえ感、吐き気、嘔吐、食欲不振、口 臭、のぼせる、などの症状を目標とし、診察所見としてはみぞおちに圧痛があり、舌に白苔がついていることが多い。一般的には急性胃炎、急性腸炎による腹 痛、嘔吐、下痢、胃酸過多症、二日酔いなどに用いられることが多い。
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
    成分(生薬)
    黄連1.5、黄柏1.5、黄芩3.0、山梔子2.0
    目標・適応症
    皮膚病、皮膚掻痒症、蕁麻疹、めまい、ノイローゼなどに用いられることが多い。目標は実証で腹に力があり、脈も十分力があって、熱はあるが沈の傾向を帯びたものである。一般雑病のうち炎症と充血のため顔色が赤く、のぼせ、不安焦燥、心悸亢進の気味があり、出血の傾向を有するものに用いる。不眠症に用いる時は頭がさえてなかなか眠れない、気分が落ち着かず、いらいらする、のぼせるなどの症状を参考にする。高血圧、更年期障害などの不眠に使われることが多い。
  • 葛根湯(かっこんとう)
    成分(生薬)
    葛根8、麻黄4、大棗4、桂枝3、芍薬3、甘草2、乾姜1
    目標・適応症
    体質は虚弱ではなく、ややしっかりとした体格のものに一般的に用いられる。体がほてる、寒気、肩こり、汗はあまり出ない、などの症状があり、診察所見としては脈は浮で力があるが、舌や腹部には特記すべき所見はないものが目標となる。主として、感冒、肩こり、五十肩、蓄膿症、中耳炎、腸炎の初期に処方されるが、皮膚炎、湿疹、蕁麻疹などにもつかわれる。
    治験例
    (一)感冒頭痛
    59歳の男性。充実した頑健な体質であるが、感冒にかかり、微熱がでて、頭痛、寒気、肩がこるなどの症状があった。脈は浮で力があった。葛根湯を服用したが良くならず、さらにもう一服のんで、熱い鍋を食べたところ、頭痛、寒気、肩こりはたちまちなくなった。(矢数道明氏、臨床応用漢方処方解説より)

    (二)喘息
    一人の婦人があって、秋になるとはげしい喘息がおこる。発作が起こっているうちは動くことができず、少しでも身を横にすると喘鳴と動悸が強くなり、背中から首にかけて板のように固くなり、痛くて振り向くこともできない。葛根湯を服用させると、たって歩くことができるようになり、続服させると全治した。(原南陽翁、叢桂亭医事小言より)

  • 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)
    成分(生薬)
    桂枝4、芍薬6、大棗4、生姜4、甘草2
    目標・適応症
    桂枝湯中の芍薬を増量したもの。基本的には桂枝湯の目標と一致しているが、桂枝湯よりも腹痛、腹部膨満感など腹部症状が前面にでるものにつかわれる。一般的には急性、慢性腸炎、腹痛に用いる。
  • 桂枝湯(けいしとう)
    成分(生薬)
    桂枝4、芍薬4、大棗4、生姜4、甘草2
    目標・適応症
    普段からやや虚弱な体質のものに一般的に用いられる。寒気、体がほてる、頭痛、自然に汗がでてくる、体が痛いなどの症状を目標とし、診察所見としては脈は浮弱、舌や腹部には特記すべき所見はない。主として、感冒、神経痛、リウマチ、頭痛、寒冷による腹痛、神経衰弱、虚弱体質などに処方される。
    治験例
    (一)頭痛
    21歳の男性、感冒にかかり葛根湯をのんだが汗がじめじめと出てとまらず、頭痛、さむけがして、脈は浮弱であった。薬を桂枝湯に変えて、一回分服用すると、汗はやみ、のぼせがなくなり、頭痛も拭うように治った。(矢数道明氏、臨床応用漢方処方解説より)
  • 四物湯(しもつとう)
    成分(生薬)
    当帰4、芍薬4、川芎4、地黄4
    目標・適応症
    男性にも用いられるが主に婦人に用いられる。婦人の諸疾患を治す聖薬とされている。貧血の傾向にあり、月経の不調があり、自律神経の失調などがあるものを目標とする。診察所見は皮膚は乾燥し、脈は沈んで弱く、腹は軟弱で臍の上に動悸が触れることが多い。一般的には月経異常、更年期障害、不妊症、産前産後の諸病、子宮出血、皮膚病などに処方される。
    治験例
    (一)血の道症
    34歳女性。4年前2度目のお産後からこの病状が起こった。息苦しく、動悸を感じ、肩が凝り、腰は痛み、手足は冷え、全身がたまらなくだるい。だるくなるとはしを持つのもいやになり、憂鬱でなんともしようがない。時々足の裏に火がついたのかと思われるようにほてってくる。この4年間家事は一切他人任せである。診察すると、脈は沈んで微弱であり、腹は軟弱で、臍の付近に動悸と圧痛がある。また月経は極めて少ないという。四物湯を与えると、2ヵ月後には元気になり、家事も自分でできるようになった。(矢数道明著、漢方百話より)
  • 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)
    成分(生薬)
    人参3、黄耆3、白朮3、茯苓3、当帰3、芍薬3、地黄3、川芎3、桂枝3、甘草1
    目標・適応症
    虚弱な体質のものに使われることが多い。全身の衰弱が甚だしく、貧血し、皮膚はかわき、胃腸の力も衰え、熱のないものを目標とする。診察所見としては外見は痩せ、脈腹ともに軟弱である。一般的には産後、手術後の衰弱、熱性病後の衰弱など、全身の衰弱しているものに用いる。
  • 小建中湯(しょうけんちゅうとう)
    成分(生薬)
    桂枝4、芍薬6、大棗4、生姜4、甘草2、膠飴20
    目標・適応症
    普段から身体虚弱で疲れやすい人や、普段は頑丈であるが無理をかさねて、ひどく疲労しているような人に適している。腹痛、全身の疲労状態、精力の虚乏といった症状が目標となり、診察所見としては腹部に圧痛があり、腹直筋が拘攣しているもの、または腹部が軟弱であることもある。主に、虚弱児の体質改善、感冒の経過中に腹痛を訴えるもの、胃炎、腸炎、疲労状態などにつかわれる。
    治験例
    (一)虚弱体質
    4歳の女児。生来風邪をすぐひく。扁桃腺が腫れて40度近い熱がでる。1年中これを繰り返していた。1夜に3~4回も失敗することがあり、汗がでる。昨年は風邪のあと咳が続き、小児喘息と言われた。時々お腹が痛いと訴える。またどこかへ旅行したり、親戚の家へ泊まったりすると必ず高い熱が出る。風邪をひくのが恐ろしくて外出をきらい、元気なく一人で家の中にこもりがちであった。痩せ型で顔色は青白く、腹は薄く腹筋が緊張している。小建中湯を与えたところ、服薬後風邪をひかなくなり、ひいてもすぐに治り、高熱は出なくなり、夜尿も次第に少なくなり、2ヵ月後には自分から外へ出て友人と遊びまわるようになった。腹痛も治り、性格も一変して陽気となり、顔色もよくなって太ってきた。(矢数道明氏、漢方の臨床11巻2号より)
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
    成分(生薬)
    半夏6、麻黄3、芍薬3、甘草3、桂枝3、細辛3、乾姜1.5、五味子1.5
    目標・適応症
    あまり虚弱な体質のものには向かない薬。喘咳があり、泡沫水様の痰が良く出る、唾がわいてくる、水のような鼻水がでる、胃の調子が悪く、背中が冷える、尿の出が悪い、むくみなどの症状を目標とする。診察上は、脈は浮弱、胃部振水音を認めることもある。感冒、気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症、肺気腫、浮腫、胃酸過多症、アレルギ―性鼻炎、関節炎で水のたまったものなどに用いられることが多い。
    治験例
    (一)気管支喘息
    61歳男性。毎年10月から3月頃まで間断なく喘息の発作に苦しむという。筋肉のしまりのよい痩せ型で、ふだんよく水ばなを流していた。それが発作のときはひどくなり、また皮膚に粟粒大の痒みのある発疹が出たり消えたりする。この患者は4年間小青竜湯をのみ続け、発作は新築の旅館に泊まったときと、旅先で大酒をのんだときと2回しかでなかった。(大塚敬節氏、漢方診療30年より)

    (二)クシャミの頻発するアレルギ―性鼻炎
    50歳男性。この人は20年来クシャミが発作的に起こり、とめどなく頻発する。発作時は鼻がむずむずして、連続してクシャミが始まり、涙が流れ、鼻水が流れ、よだれがでて、顔中水をかぶったようになるという。急に冷えた空気を吸ったり、夜に寝巻に着替えたりすると起こる。冬が多いが夏でも起こる。毎晩ベッドに入るときは、ちり紙を枕元に置くが、眠りにつくまでにくずかごがいつもいっぱいになるという。小青竜湯を与えると、3日目から好転し、鼻紙がわずかですむようになり、2ヶ月の服薬ですっかりよくなり、以後数年になるが再発しない。(矢数道明氏、漢方百話より)

  • 当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)
    成分(生薬)
    当帰3.0、桂皮3.0、芍薬3.0、木通3.0、大棗5.0、細辛2.0、甘草2.0
    目標・適応症
    体質が虚弱で冷え性のものに使われることが多い。目標は手足が冷え、脈細小である。腹証は底に力がなく腹直筋が拘急しているものが多い。手足が冷えると腹にガスがたまり、腹が張って痛むというものがある。
    治験例
    (一)凍瘡
    33歳女性。数年前から毎年手足の冷え、凍瘡で苦しみ、今年は最も症状が強く、両足首と甲が腫れあがっていた。今は歩くこともできない。皮膚科、外科の手当てはもちろん受けたが、いっこうに効かないという。当帰四逆湯を与えたが、内服で凍瘡がなおりますかと不審がっていたが、とにかく服用させた。ところがその後喜色満面で来訪し、服用後、一日ごとに手足が温かくなり、皮膚にうるおいが出て、両足の腫れが一週間後にはほとんど消退してしまったという。このような霊薬があるのを知らずに毎年冬中苦しんでいたのが残念であったと、大いに感謝された。翌年の9月末から当帰四逆湯と十全大補湯を交互に服用させたところ、凍瘡を発せずにすんだ。(矢数道明氏、漢方百話)
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
    成分(生薬)
    当帰3、川芎3、芍薬6、茯苓4、白朮4、沢瀉4
    目標・適応症
    一般に虚弱な体質のものに、男女老若を問わず用いられる。貧血と腹痛に使われることが多く、他、全身倦怠感、足の冷え、頭重、めまい、耳鳴り、肩こり、腰痛、動悸、多尿、浮腫などの症状を伴うことが多い。診察所見としては脈は沈んで弱く、腹は全体に軟らかく、心窩部に振水音を認める。応用範囲の広い薬であり、婦人科的疾患や神経症、眩暈、腎炎、胃痛や痔核、冷え性など多くの病状に使われる。
  • 人参湯(にんじんとう)
    成分(生薬)
    人参3、白朮3、甘草3、乾姜3
    目標・適応症
    虚弱な体質のものにつかわれることが多く、体を温める作用がある。疲れやすい、胃痛、下痢、嘔吐、唾液が多く出る、手足が冷えやすい、薄い尿が多く出るなどの症状が目標となる。診察所見として、腹部は軟弱無力で振水音を認めるものと、腹壁が薄くて固くベニヤ板のように触れるものとがある。舌は苔がなく湿っていることが多い。一般的には急性慢性胃腸炎、胃弱、胃液分泌過多症、胃潰瘍などに用いられることが多い。
    治験例
    (一)右上腹部痛
    50歳女性。太って色白、筋肉は軟弱、主訴は半年前から右の脇下が痛み、何かつかえている気持ちである。1週間前からみぞおちが痛むようになり、放屁することが多くなった。腹部は一体に膨満し、振水音が著明である。冷え性であり、小便が近い。人参湯によって、みぞおちは爽快となり、体は軽くなって気分が良くなった。

    (二)唾液分泌過多症
    30歳女性。9ヶ月前から絶えず生唾が上がって、食事した後吐くことがある。また咽喉や胸がつかえたり、みぞおちがチクチク痛んだり、就寝中に胸が痛んだりするという。中肉中背でそれほど体力の低下は見えない。脈は沈んで小さく、みぞおちに圧痛がある。この患者には、口に唾液がたまる、夜小便におきるの2点を目当てに人参湯を投与したが、1ヶ月足らずでこれらの症状はすっかり良くなった。(山田光胤氏、薬局14巻1号より)

  • 麦門冬湯(ばくもんどうとう)
    成分(生薬)
    麦門冬10、半夏5、粳米5、大棗3、人参2
    目標・適応症
    痙攣性の咳嗽に用いられることが多い。目標の症状としては咳嗽、のぼせ、顔面紅潮、咽喉の乾燥感、刺激感など。麦門冬湯の咳の特徴としては激しく痙攣性、連発性、痰は少なくて切れにくく、声がかれることが多い。
    治験例
    (一)喘息と肺結核
    56才女性。肺結核に喘息が合併し発作が起きると終夜あえぎもがき、激しい呼吸困難が続いた。この発作が半年続いたため見るかげもなくやせ衰えてしまった。麦門冬湯を内服させると10日後には半年間続いた苦悶から全く開放された。食欲も出てすっかり元気になった。(矢数道明氏、漢方の臨床11巻7号より)
  • 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
    成分(生薬)
    半夏6.0-8.0、茯苓5.0、厚朴3.0、蘇葉2.0、生姜1.5
    目標・適応症
    本方は気剤といって、気分のふさがっているのを開くというものである。体質が虚弱で性格が神経質なものに使われることが多い。胃症状やヒステリー、ノイローゼ、鬱などの神経症状、のどの痞え感、浮腫などの症状に効果を発揮する。本方に適したものは、脈は多くは沈弱、腹壁は一般に軟弱、心下部に拍水音を証明することが多い。
  • 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
    成分(生薬)
    半夏5、黄芩2.5、乾姜2.5、人参2.5、甘草2.5、大棗2.5、黄連1
    目標・適応症
    心窩部(みぞおち)のあたりが痛む、つかえ感がある、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、口臭、お腹がゴロゴロ鳴る、ゲップが出るなどの症状を目標とし、診察所見としてはみぞおちに圧痛があり、胃内停水、舌に白苔がついていることが多い。一般的には急性、慢性胃炎、胃酸過多症、胃下垂症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、便秘、下痢、神経衰弱などに用いられることが多い。
    治験例
    (一)神経衰弱症
    この患者は神経症で、みぞおちにつかえ感があり、不安感が強く、体格はがっしりしているが、気持ちは至って小さく、疲れやすく、足冷え、不眠症で種々の治療をおこなわれていたが効果がなかった。腹部は比較的軟弱で、みぞおちに軽度の圧痛があり、胃内停水が認められる。半夏瀉心湯を与えると、みぞおちのつかえ感がとれ、不安感もなくなり、食欲が出て、よく眠れるようになった。(矢数道明氏、漢方百話より)

    (二)胃拡張症(胃炎)
    44歳男性。生来健康で酒を好み、暴飲暴食を続けていた。胃を悪くしたので禁酒したが、今度は大の甘党になってしまった。昨年暮れよりみぞおちに不快感が出現し、胸やけを訴え、夕方になると嘔吐するようになった。臭いゲップがしきりに出る。体格は中等度、舌には白苔がついており、みぞおちには圧痛があり石のように固い。時々腹鳴がある。半夏瀉心湯加茯苓を与えると、服薬10日にして症状の大半が消失した。本証は生姜瀉心湯の証であろうが、半夏瀉心湯加茯苓がよく奏功した。(矢数道明氏、漢方と漢薬3巻1号より)

  • 麻黄湯(まおうとう)
    成分(生薬)
    麻黄5、杏仁5、桂枝4、甘草1.5
    目標・適応症
    体質がしっかりしていて充実感のあるものに一般的に用いられる。熱性病の初期に用いられることが多く、頭痛、身疼痛、腰痛、関節痛、寒気、汗が自然に出ないという症状が目標となり、脈は浮緊、舌や腹部に特徴的な所見はない。感冒や気管支炎など熱性病の初期以外に、小児の鼻つまり、気管支喘息、関節リウマチの初期などにもつかわれる。
    治験例
    (一)鼻づまり
    10歳の少年。ふだんから鼻炎がある。風邪をひくと鼻がつまって、口で呼吸しなければならない。頭痛、ときどき寒気、脈は浮で力がある。咳はでない。麻黄湯を与えると10数分で鼻のつまりがとれ、風邪も3日の内服でよくなった。麻黄湯を風邪に用いるときは、脈が浮いていて力があり、さむけと熱があって、頭痛がしたり、ふしぶしが痛んだり、鼻がつまったりするのを目標とする。(大塚敬節氏、漢方診療30年より)
  • 麻黄細辛附子湯(まおうさいしんぶしとう)
    成分(生薬)
    麻黄5、細辛3、附子0.5-1
    目標・適応症
    老人や虚弱体質なもの、疲れで体が弱っているものにつかうことが多い。悪寒、微熱、全身倦怠感、無気力、身体疼重、手足の冷え、咳嗽などの症状を目標とする。診察所見としては脈は沈んでいて力のないことが多い。一般的には感冒、気管支炎、肺炎、気管支喘息などに用いられる。
    治験例
    (一)感冒
    55歳男性。平素より虚弱な体質であった。悪寒がして熱が39度となった。元気なく、悪寒がして耐えられない。非常に疲れていた。脈は沈んで細く弱い。麻黄細辛附子湯を2日分与えた。服用すると全身が温まり、こころよく汗がでて、すっかり治ったという。このように効く風邪薬をのんだのは初めてであると感謝された。(矢数道明氏治験)
  • 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

    麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

    成分(生薬)
    麻黄4、杏仁4、甘草2、石膏10
    目標・適応症
    喘咳があって、自然に汗がでる、口が渇くなどの症状を目標とする。あまり高熱のある状態には用いないことが多い。診察所見として脈は浮数である。一般的には気管支炎、気管支喘息、心臓性喘息、小児喘息、肺炎などに用いられる。
  • 六君子湯(りっくんしとう)
    成分(生薬)
    人参4、白朮4、茯苓4、半夏4、陳皮1、大棗2、甘草1、乾姜0.5
    目標・適応症
    虚弱な体質のものに用いられることが多い。普段から胃腸が弱く、みぞおちに不快感があり、食欲不振、疲れやすい、手足が冷えるなどの症状を目標とする。診察所見としては胃内停水があり、脈腹ともに軟弱である。一般的には慢性胃炎、胃下垂症、胃潰瘍、消化不良、食欲不振、虚弱者の胃腸型感冒、虚弱者や老人の養生薬として使われる。また最近アメリカ消化器病学会に胃の蠕動を促して、逆流性食道炎に効果があるとの報告がなされた。